コンペの幹事に選ばれると色々と大変です。ゴルフ場の選定に始まって予算内での賞品選び。そしてペアリングを決め終えると、最後にルールや注意事項を決めなくてはなりません。
その中に「Play fast」~プレーペースを守るようにとお願いすることになるかと思います。しかしながら交流と親睦を深めるのが、このコンペの大義だと分かっていても、参加する方々は真剣そのもの。
そうなればプレーも慎重になり、1打1打に時間が掛かってしまうのは必然。この日に少しでも良いスコアで上がる為に、時間を工面して練習に励んできた面々の前で、ただ単に「進行に注意して速くプレーして下さい」とアナウンスするだけでは解決しないでしょう。
それでは、速くスムーズにプレーするにはどうすれば良いか。具体的に3つの対策をご提案します。また個々のゴルフ技術レベルと関係しているので参考にしてみて下さい。
①物理的対策
- ボールのある所まで素早く行動する
- 素振りは1回
- 5秒以内に打つ
- 上り坂は乗用カートで移動する
など。時間を物理的に掛けないでプレーすることです。これらは初心者時代に有効な方法です。この時期にラウンドの仕方やホール消化方法を心得ておくと前途洋々。ボールコントロールできるようになったときに必ず役に立ちます。
“ボールのある所まで素早く行動する“~走ると息が上がってミスショットを誘発してしまうので、小走りくらいの感じがお勧めです。また安全に配慮し、他のプレーヤーの前方に進んでしまってもOKです。この場合は木の陰やカートを盾に隠れるなどして待機すれば更に安全性UPです。
“素振りは1回“~ボールを打つ前の一連の儀式動作・ルーティンでのことです。どうしても確認動作や刷り込みの素振りが必要であれば、待機時間で済ましておきましょう。
“5秒以内に打つ“~プロや上級者は必ずここに辿り着く必修スキルです。運動生理学や脳科学の分野でも、6秒以上静止するとスムーズに動作しなくなるという調査報告があります。
“上り坂は乗用カートで移動する“は、真夏のプレーや、女性・ご年配の方などへの配慮です。体力を温存するためにも序盤から心掛けておくと、終盤もバテずにプレーペースを維持できるでしょう。
②効率的対策
- クラブを3本持ち歩く
- 移動先でクラブを差し替える
- 次のホールへの導線を確認しておく
- 安全に配慮して準備できたプレーヤから打つ
など。先読みして効率良く時間を使ったり、行動したりしてプレーすることです。これらは110~90くらいでラウンドする中級者向けです。この他にもまだありますが、私が幹事を務めるコンペでマスター室から評判の良い且つ、効果が高いものを挙げてあります。
”クラブを3本持ち歩く”~グリーン周りのアプローチ時はもちろん、Par3でのティーショットやフェアウェイでも、高低差のジャッジや風の向きが突然変わったりするので、常に3本は持っていると直ぐに対応できるでしょう。
”移動先でクラブを差し替える”~乗用カートのプレースタイルが当たり前の昨今、ショットし終えたらまずはカートに乗車しましょう。そして移動先で停車してからクラブを差し替えましょう。コレを遵守すればカートが前に進めるので、後続組がプレーできるようになり全体の流れに好影響です。
”次のホールへの導線を確認しておく”~これは特にグリーン周りで重要です。次のホールのティーイングエリアへと向かう導線上に使用しないクラブを置いておけば、ホールアウトした後にスムーズにそのクラブを回収できます。コレを怠るとわざわざ反対側に取りに行くことになったり、置忘れの原因にもなります。
”安全に配慮して準備できたプレーヤから打つ”~以前は「遠球先打」(ピンから遠い人から先に打つ)でしたが、スムーズな進行を促すために「レディーゴルフ」(準備ができた人からプレーしましょう)と規則6.4に明文化されました。その際には「先に準備ができたので打ちます!」と、ひとこと声を掛けるとスマート度がUPします。是非とも励行しましょう。
③実質的対策
- 球の行方を最後まで見ておく
- 風の吹く方向を把握しておく
など。これはズバリそのもの。スコアを良くして実質的に時間を短縮することです。これは常に80台でプレーできる上級者に当てはまります。そのホールで10打より3打でホールアウトできれば、当然ですが時間が掛かりません。またハイプレッシャー時には軽率な判断が大叩き⇒時間ロスの原因になり兼ねないので、ここぞのときは規則で定められた時間内(※)で観察力を活かし、冷静にジャッジして回避しましょう。
※ 5.6b 速やかなプレーのペース 障害や気を散らすものがなく、プレーできるようになった後、40秒以内にストロークを行うことを推奨する(リーディングタイムも込み)
“球の行方を最後まで見ておく“~意外にも上級者でもできていないのがこの習慣です。ドライバーショットを曲げてしまっても「150ydの表示杭の右5mの松のセリ出ている枝に当たった」「左バンカー手前の木の陰の辺り」と、より明確にしておきましょう。そうすれば捜索時間の短縮、ロストボール回避とスコアを良くするのには必須です。
“風の吹く方向を把握しておく“~全体の風向を「南西」や「北東」など東西南北で捉えておくことをおススメします。太陽が昇ってお昼頃に一番高くなる南東の方角を意識しておけば、おおかたの風向きも把握でき、植物である芝もその方向に伸びていく性質があるので、グリーンのリーディングにも役に立ちます。
以上になりますが、日本で初めての Play fast 提唱者は白洲次郎氏と言われています。氏曰く「早くやろうぜ」とスローガンを掲げ、グリーンのライン読みに時間を掛けているプレーヤーに雷を落としたとか。これを今の時代にしてしまったら○○ハラスメントになるのかな?
それと「プレー”ファースト“」ってうたっているゴルフ場をたまに見かけますが、それでは「プレー第一」「プレー最優先」(※グーグル翻訳)ってことになってしまので本来の意味とは違ってしまいます。それなら「プレー」は「プレイ」どっち?とツッコまれると難儀なので…どちらでも有りってことで。通じれば良いかw