どんなときでもバンカーショットって緊張しますよね。「お願い~出て‼」って祈りながらSWを振り抜くと、その思いが通じてボールはエッジにポトリ。
ここからならパターでいける。だがしかし、ボールの周りにはバンカーショットの際、一緒に弾き出された「砂」がカップまでの道を遮っている。
この邪魔な「砂」を取り除いてっと…ピロピロリン♪ここでルール警戒アラートの発令です。気軽にサッサと払ってはいけません。
この「砂」ですが、払い除けて問題ない「砂」と、払い除けると2ペナになってしまう「砂」があるので注意が必要です。ヒェッ‼
結論から言うと、ボールからカップへのライン上にある「グリーン上の砂」はOK。「グリーンエッジ(ジェネラルエリア)の砂」は2ペナになります。
当然ですが、プレーの線上・スタンス区域と関係ない「砂」は取り除いてもOKです。それでは詳しく見ていきましょう。
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条文の「ストロークに影響を及ぼす状態」とは、そのプレーヤーの球のライ(置かれている状態)、スタンス区域、スイング区域、プレーの線に影響を及ぼすことを指します。
なので、ボールが転がっていくプレーの線上または、スタンスする区域にある砂を取り除く⇒影響を及ぼすことは『規則8.1a 認められていない行動』に抵触してしまいます。
もっと簡単に言うと、一度は耳にしたことがあるゴルフの原則「コースはあるがままにプレー」しましょうということです。
ではなぜ?グリーン上にある砂はで払い除けてOKなのか。それは『規則13.1c₍1₎ パッティンググリーン上で認められる改善』という別の規則で認められているからです。
8.1a 認められていない行動 プレーヤーはストロークに影響を及ぼす状態が改善されてしまう場合には次の行動をとってはならない。ただし、規則8.1b、c、dで認められた限定的な方法を除く。 (1) 次の物を動かす、曲げる、壊す: • 生長または付着している自然物。 • 動かせない障害物、不可分な物、境界物。 • ティーイングエリアから球をプレーするときのそのティーイングエリアのティーマーカー。 (2) ルースインペディメントや動かせる障害物を所定の位置に置く(例えば、スタンスの場所を作るため、またはプレーの線を改善するため)。 (3) 次のことを含め、地面を変える: • ディボットをディボット跡に戻す。 • すでに戻されているディボット、またはすでに所定の位置にある他の切り芝を取り除いたり、押し付ける。 • 穴、窪み、起伏のある面を作ったり、なくす。 (4) 砂やバラバラの土を取り除く、または押し付ける。 (5) 露、霜、水を取り除く。 規則8.1aの違反の罰:一般の罰(2ペナ)。
なるほど!これでスッキリ以上です。ってならないのがルール解決ch。さらに深く掘っていきます。
では、自分のボールのライン上に、他のプレーヤーのバンカーショットによってばら撒かれた砂によって邪魔されるという状況になったときは?
これは『規則8.1d₍1₎ 球が止まった後に悪化した状態の復元』により取り除きOKです。
また、グリーン上にある砂をキャディさんが取り除いてしまったらどうなる?こちらもOK。『規則10.3b₍1₎ キャディーができること』とのこと。
続いてはこちら。葉っぱや枝は、規則で「ルースインペディメント」と定義されています。これらはプレーの線上やスタンス区域にある場合でも取り除けます。
それでは「砂」は「ルースインペディメント」にカテゴライズされているのか?ってことですが…
こちらは『定義『ルースインペディメント』によると、砂、バラバラの土はルースインペディメントではない(これにはミミズ、昆虫または類似の動物によって作られた盛り土の場合を含まない)となっています。
そうなんですね。ルールって色々な項目が絡んでいて難儀です。
ん?ちょっと待って。「ミミズ、昆虫または類似の動物によって作られた盛り土」はルースインペディメントってなっている。ふむふむ。
となると、グリーンエッジのプレーの線上にある「ミミズの盛り土」は取り除いてもOKってことか。
ただの「砂」と侮るなかれ。様々なモノに化けるので気をつけてください。
13.1c パッティンググリーン上で認められる改善 ラウンド中や、規則5.7aに基づくプレーの中断中は、球がパッティンググリーン上にあるかどうかにかかわらず、プレーヤーはパッティンググリーン上で次の2つの行動をとることができる: (1) 砂やバラバラの土を取り除くこと。パッティンググリーン上の砂とバラバラの土は罰なしに取り除くことができる。