ラウンドの終盤、バンカーを越えて直ぐのピンポジション。9Iではデカいし、PWではギリギリだし…。
「勝負‼PWでギリギリを攻めよう」と決心して放ったショットは手応えはあったのだが、わずかに届かずバンカーにイン。
ここは不運をなげくより「前のホールでもバンカーからパーセーブできたし、気持ちを切り替えていこう」とポジティブシンキング発動。
そしてSWを抜こうとキャディバッグを覗くと…。「えっない⁉あっ前のホールのバンカーに忘れてきた」ってことを思い出す。
この場面はアゴが高いし、ピンが近いから、どうしてもSWが必要。そうだ!今こそ鍛え上げた脚力を発揮する時が来たのだ。
「すみません。SWを置き忘れてしまったので取りに行ってきます」と同伴プレーヤーに断りをいれて猛ダッシュ。
多少の息切れはあったものの、3分後には、またバンカーに戻ってきて見事パーセーブ。これで次のティーショットにも間に合った。
って普通に良くある場面ですが、コレって規則の『プレーの不当の遅延』にあたるのでしょうか。3分で戻って来たし…間に合ってるし…。
ANSWER
5.6a プレーの不当の遅延
プレーヤーは、ホールのプレー中、またはホールとホールの間のいずれでもプレーを不当に遅らせてはならない。プレーヤーは次のような特定の理由のために、少しの遅れが認められる場合がある。
• プレーヤーがレフェリーまたは委員会に援助を求めている場合。
• プレーヤーが怪我をしたり、病気になった場合。
• 別の正当な理由がある場合。
規則5.6aの違反の罰
• 最初の違反の罰:1罰打。
• 2回目の違反の罰:一般の罰(2罰打)。
• 3回目の違反の罰:失格。
プレーヤーがホールとホールの間でプレーを不当に遅らせた場合、罰は次のホールに適用する。
短い時間の遅延を超えたプレーの遅延を生じさせた場合に、不当の遅延と扱われる可能性の高い行為の例は次の通り
• 紛失したクラブを回収するために、パッティンググリーンからティーイングエリアに戻った。
• 認められている3分の捜索時間が経過した後に、数分間にわたり紛失球を捜し続けた。
そうなのか。『ルーリングで競技委員に援助を求める』『病気やケガ』の2点はOKですが、その他の理由はほぼ認められないみたいです。
オフィシャルガイドを調べてみても『次のような特定の理由』の中に「忘れたクラブを取りに行く」はありません。
それどころか類似のケースで「紛失したクラブを回収するために、パッティンググリーンからティーイングエリアに戻った」はダメと明記。
また「○○分以上は遅延プレー」などの具体的なガイドラインは設けていないことから、短い時間でも、プレーを遅らせる行為は全てアウト‼になる可能性高し。
たとえ「ティーイングエリアから前のホールのグリーンに忘れたSWを取りに行く」はギリギリセーフ?いやアウト!!ってくらいの厳しい案件。
当然ですが、忘れ物を届けてもらうのはセーフ。これは誰に届けてもらってもOKです。ホっ。
一方で『正当な遅延』と扱われるケースは、前述2点の他に「プレーヤーがコントロールできない短い時間の遅延」とあります。
具体的な一例として、ゴルフ場の売店などで飲食物の購入・トイレのために数分間立ち寄ることが挙げられますので、これはセーフか。
でも、「数分間」とあるので”小”はセーフで”大”はアウト⁉ 仮にもよおしたときは「1ペナ払いますので」とひとこと添えてからごゆっくりですねw
まとめ
- たとえ数分の短時間でも「置き忘れたクラブを取りに戻る」ことは不当の遅延となる可能性大。
- 忘れ物を届けてもらうのはセーフ。誰に届けてもらってもOK。
- 但し「ルーリングで競技委員に援助を求める」「病気やケガ」の2点は不当の遅延とならない。